一般に「寝違え」と呼ばれる症状の多くは、首周辺の筋肉が軽度の肉離れを起こしている状態を指します。
人間の頭部は、正面から見た首の幅に対して中間の位置にあるのが望ましいのですが、睡眠中はどうしてもその位置からズレがちです。長時間にわたって首がおかしな方向に曲がったままになっていると、首の筋肉が部分的な阻血状態になり筋肉もコリ固まりやすくなります。そのような状態で起床時に急に頭首を動かすと、寝違えが発生するのです。
※例えば運動をするとき、ストレッチをせずにいきなり激しい運動をしたら筋肉を傷めてしまいます。それと同じで、睡眠中に凝り固まった筋肉をいきなり動かすと軽度の肉離れが起きるのです。つまり寝違えは、寝ている時に生じる訳ではありません。原因は睡眠中につくられますが、寝違えの炎症が発生するのは起床時なのです。
●寝違え直後にやってはいけないこと
○「とりあえず動作確認をしよう」と、首を左右前後に動かしてみたり、手で触ってみたりすることは良くありません。
寝違えは炎症、つまりケガです。なるべく動かさない・触らないようにしてください。痛みや違和感を治そうと、やたらと触ったりするのはNGです。
また、アイスパックや氷のうを使って長時間冷やすのもおすすめできません。アイシングをすると、一時的な鎮痛効果は得られます。その一方で筋肉の血流が悪化する為、損傷部位の回復が遅くなる可能性が考えられます。
○ストレッチを行う
寝違え直後で炎症が起きているときのストレッチはNGです。「早く痛みをなくしたい!」そんな気持ちからストレッチをする人が多くいます。ストレッチをすると炎症が起きている首に刺激が入るため、治りが遅くなります。